介護のやることリストを書き出す猫のイラスト

親が倒れた。退院はできるけれど、前のようには暮らせない。「介護が始まる」と突然言われて、何から手をつければいいのかわからない——このページは、そんな方のための案内図です。

やることは、実はシンプルです。①相談する → ②介護保険を申請する → ③在宅か施設かを考える → ④お金の制度を確認する。この順番で動けば大丈夫。ひとつずつ、行き先の記事と一緒に案内します。

時期の目安 やること
1週目地域包括支援センターに相談する。介護保険を申請する
2〜3週目市区町村の調査員が家に来て、親の様子を聞き取る(訪問調査)。かかりつけ医が意見書を書く
4週目ごろ認定の結果が届く。ケアマネジャーと、使うサービスの計画(ケアプラン)を立てる
その間ずっと在宅か施設かを考える。お金の制度を調べる

※日数は目安です。市区町村や、申請の混み具合によって変わります。

ℹ️
最初に、これだけは覚えておいてください 介護は「家族だけで抱えるもの」ではありません。相談する場所も、使える制度も、頼れるサービスも用意されています。知らないまま頑張りすぎてしまうことが、いちばんの遠回りです。

ステップ1:地域包括支援センターに相談する(無料)

最初の行き先は病院でも施設でもなく、「地域包括支援センター」です。市区町村が設置している高齢者の総合相談窓口で、介護保険の申請方法、使えるサービス、地域のケアマネジャーの紹介まで、無料で相談できます。

場所は「お住まいの市区町村名+地域包括支援センター」で検索すると出てきます。親が入院中なら、病院の医療ソーシャルワーカー(相談員)に声をかけるのも同じ入り口になります。

相談先は、親が住んでいる地域のセンターです。子どもが離れて暮らしていても、電話で相談できます。

📝
相談の前に、メモしておくと話が早いこと
  • 前とくらべて、できなくなったこと(例:お風呂に一人で入れない、薬を飲み忘れる)
  • 家族がいちばん困っていること(例:夜中のトイレの付き添いで眠れない)
  • かかりつけ医の名前と、飲んでいる薬(お薬手帳があれば十分)
  • 同居している家族と、手伝える家族
「うまく説明できない」と心配しなくて大丈夫です。相談員さんが、順番に聞いてくれます。

ステップ2:介護保険を申請する

介護サービスを1〜3割の自己負担で使うには、要介護認定が必要です。申請から認定までは1ヶ月ほどかかるので、「必要になってから」ではなく「必要になりそうな時点」で申請するのが正解です。

申請は、本人でなく家族が代わりにできます。地域包括支援センターやケアマネジャーの事業所に、申請の手続きを代わりにお願いすることもできます。窓口に行く時間がとれない方は、ステップ1の相談のときに頼んでみてください。

持ち物は、介護保険被保険者証(65歳以上の方に届いている保険証)や、マイナンバーがわかるものなどです。市区町村によって違うので、先に確かめておくと安心です。

ℹ️
結果を待たずに、サービスを使い始められることも 認定の結果は、原則として申請から30日以内に届きます。認定されると、その効力は申請した日までさかのぼります。急いでサービスが必要なときは、ケアマネジャーに「暫定ケアプラン」を作ってもらい、結果の前から使い始められる場合があります。ただし、結果が思ったより軽いと、使った分の一部が自己負担になることがあります。始める前に、必ずケアマネジャーに相談してください。

申請の流れ・訪問調査で聞かれること・注意点は、この記事にまとめています。

→ 介護保険ってどう使うの?申請から認定までの流れを解説

ステップ3:在宅か施設かを考える

認定を待つ間に、「家で介護を続けるか、施設を探すか」を考え始めます。ここは正解がなく、介護度・家族の状況・本人の希望で決まります。焦って決める必要はありません。在宅サービスを使いながら考えるのが現実的です。

💬
訪問介護の現場から 介護は、最初から正解の形があるわけではありません。人によって状況はさまざまです。ご家族と介護士で「こうしたほうがいいかな」「こっちのほうがいいかな」と話しながら、少しずつ整えていくものです。うまくいかないことがあれば、遠慮なくヘルパーやケアマネジャーに伝えてください。

ステップ4:お金の制度を確認する

介護のお金は「申請しないともらえない」制度がほとんどです。高額介護サービス費・住宅改修の補助・おむつ助成・介護休業給付金——知っているかどうかで、年間数万円〜数十万円の差がつきます。

→ 在宅介護で使えるお金まとめ——知らないと損する補助金・助成制度
→ 老人ホームの費用は月いくら?——差がつくのは「部屋代」(施設を検討する方向け)

仕事を続けながら介護する方へ

介護が始まっても、すぐに仕事を辞める必要はありません。法律で決まった休みが2つあります。

制度 内容
介護休業 家族1人につき通算93日まで、3回に分けて休める。雇用保険から、休む前の賃金の67%が「介護休業給付金」として出る(条件あり)
介護休暇 1年に5日まで(対象の家族が2人以上なら10日)。通院の付き添いや、ケアマネジャーとの打ち合わせに使える

介護休業は、93日間ずっと自分で介護するための休みではありません。国は「介護の体制を整えるための期間」と位置づけています。この間に、相談・申請・サービス選びを進めるのがおすすめです。

使えるかどうかや手続きは、勤め先の人事・総務の担当者に確かめてください。

よくある「最初のつまずき」

⚠️
現場でよく見た3つのつまずき
  • 家族だけで頑張りすぎる → 共倒れがいちばん怖い。最初から専門職を頼ってください
  • 介護保険の申請が遅れる → 認定まで約1ヶ月。迷ったら先に申請
  • 本人に何も相談しない → あとで「聞いてない」とこじれます。できる範囲で本人の希望を聞きながら

まとめ

✅
最初の1ヶ月でやること
  • ① 地域包括支援センター(または病院の相談員)に相談する
  • ② 介護保険を申請する(認定まで約1ヶ月かかるので早めに)
  • ③ 在宅か施設か、サービスを使いながら考える
  • ④ 使えるお金の制度を確認する

全部を一度にやる必要はありません。今日はステップ1の「相談先を調べる」だけでも、確実に前に進んでいます。ひとつずつ、いきましょう。

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出典:厚生労働省「育児・介護休業法のあらまし」/厚生労働省「介護休業制度」/ハローワーク「雇用継続給付(介護休業給付)」/厚生労働省 介護サービス情報公表システム「介護サービス利用までの流れ」/各市区町村の要介護認定の案内。2026年10月29日確認。制度は変わることがあるため、最新の情報は市区町村・勤め先でご確認ください。