サービス付き高齢者向け住宅で麻雀や新聞を楽しむ猫たちと買い物から帰る猫のイラスト

「サ高住って、名前に"サービス付き"ってあるから、介護もしてもらえるのよね?」——ここが、いちばん大きな誤解です。

答えを先にお伝えします。サ高住(サービス付き高齢者向け住宅)の「サービス」とは、安否確認と生活相談のこと介護が必要になったら、外部の事業所と自分で契約します

私は訪問介護のヘルパーとして、いくつかのサ高住に通っていました。つまり、わたし自身が「外から呼ばれる介護」の側にいた人間です。この記事では、中に入っていたからこそ見えた暮らしぶりと、向く人・向かない人をお伝えします。

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サ高住の「サービス」は、2つだけ

制度として必ず提供されるのは、この2つです(執筆時点の制度)。

つまりサ高住は、基本は「見守りのついたバリアフリーの賃貸住宅」です。食事の提供や介護は、必須のサービスに含まれていません(オプションで食事を用意している住宅は多くあります)。

⚠️
介護は「外から呼ぶ」形です 介護が必要になったら、入居者が外部の訪問介護やデイサービスと個別に契約します。だから私のような訪問介護のヘルパーが、外からサ高住に通っていたわけです。「入居すれば介護してもらえる」と思っていると、話が違ってきます。ここが特養や介護付き有料老人ホームとの、いちばん大きな違いです。

中で見た暮らしぶり——自由度は、かなり高い

ここからは、訪問介護で通っていたときに見た実際の様子です。

部屋の設備は、住宅によってかなり違う

暮らし方も、人によってまったく違う

ここがサ高住のいちばんの特徴だと思います。同じ建物の中で、暮らし方がぜんぜん違うんです。

施設の時間割で一日が決まる特養や老健とは、まったく違う世界です。自由度が高いぶん、その自由をどう使うかは本人次第——それが、外から見ていた率直な実感でした。

私が入っていたときにしていた支援 訪問介護として入り、掃除・洗濯・買い物・入浴の介助などをしていました。内容はその方によってまったく違います。「掃除だけ」の方もいれば、入浴の介助が必要な方もいる。必要なぶんだけ、外から補う形です。

サ高住が向く人・向かない人

中を見ていた立場から、正直に書きます。

向いている人
  • ある程度、身体が動く人——自分のペースで暮らせる自由が活きる
  • ひとり暮らしの不安を減らしたい人——安否確認があるので、孤独死の心配がぐっと小さくなる
  • 食事の準備がしんどくなってきた人——食事提供のある住宅なら、その心配もなくなる
  • 人との交流を自分で選びたい人——共用スペースに出るのも、部屋で静かに過ごすのも自由
⚠️
向かないかもしれない人
  • すでに介護が重い人——外部サービスを積み増すと費用がふくらみ、対応にも限りがある
  • 常に見守りが必要な人——夜間のスタッフ体制は住宅によって違う
  • 自分では動けない・声を上げにくい人——自由度が高いぶん、部屋にこもったままになりやすい

費用の目安

入居一時金は原則不要で、敷金+月額費用で入れるのが一般的です。月額の目安は、一般型で10万〜25万円ほどと言われています(執筆時点の情報です)。

💡
「家賃+介護サービス費」で考えてください 月額費用は、家賃・管理費・食費などの「住む費用」です。介護サービスを使えば、そのぶんの自己負担が別に積み上がります。介護が必要になるほど総額が上がっていく点は、必ず頭に入れておいてください。施設の費用全体は老人ホームの費用相場の記事も参考にどうぞ。
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見学で必ず確認してほしい4つ

サ高住は「住宅ごとの違い」がとても大きい住まいです。中に入っていた経験から、ここを聞いてほしいと思う点を挙げます。

見学の質問リスト
  • 「介護が必要になったら、どうなりますか?」——外部と契約するのか、併設の事業所があるのか。ここが最重要です
  • 「夜間はスタッフが何人いますか?」——夜の体制は住宅によって大きく違います
  • 「お風呂は部屋にありますか、共用ですか」——設備は要確認。食事の提供有無も一緒に
  • 「介護が重くなったら、住み続けられますか?」——退去の条件を、入る前に必ず

共用スペースの様子も見てみてください。麻雀をして笑っている方たちがいる住宅なのか、しんと静かなのか。そこにいる人の表情が、その住宅の空気そのものです。

まとめ

この記事のポイント
  • サ高住の「サービス」は安否確認と生活相談。介護は外部と個別契約する
  • 自由度が高く、買い物・外食・麻雀を楽しむ方も。設備も暮らし方も住宅ごと・人ごとにバラバラ
  • 体が動く人・ひとり暮らしの不安を減らしたい人に向く。介護が重い人には難しいことも
  • 見学では「介護が必要になったら?」「夜間の体制」「退去条件」を必ず確認

「介護は付いていない」——この1点を知って選べば、サ高住はとても居心地のよい住まいになります。まずは複数の住宅の資料を取り寄せて、比べてみてください。