家のテーブルでケアマネジャーの猫と家族の猫が相談するイラスト

「こんな小さなこと、ケアマネさんに相談していいのかな」「なんとなく合わない気がするけど、言い出せない」——ケアマネジャーとの距離感に、迷っていませんか。

答えを先にお伝えします。ケアマネさんとの付き合い方の基本は、遠慮しない・隠さない・任せきりにしない。この3つです。

わたしは訪問介護の現場で、たくさんのケアマネさんと一緒に仕事をしてきました。この記事では、サービスを提供する側から見えた「ケアマネさんと上手に付き合っているご家族」の共通点を、5つのコツにまとめてお伝えします。

※この記事は、自宅で介護をしている方向けの「居宅ケアマネジャー」との付き合い方です。施設に入居したあとは、施設のケアマネジャーや相談員が担当になります。

そもそもケアマネさんは、何をしてくれる人?

ケアマネジャー(介護支援専門員)は、ひとことで言うと介護チームの司令塔です。主な仕事はこの3つ。

月1回の訪問は、国の基準で決まっています。ケアマネさんは少なくとも月に1回、本人と会って様子を確かめ、記録を残します。2024年4月からは条件つきで、2か月に1回の訪問とオンライン面談を組み合わせることもできるようになりました(指定居宅介護支援等の基準 第13条)。

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ケアマネさんへの相談は、無料です ケアプランの作成やケアマネさんへの相談に、自己負担はありません(執筆時点(2026年11月)の制度。介護サービス情報公表システムより)。「頼んだら高くつくのでは」という心配はいりません。だからこそ、遠慮せず頼ってほしいのです。

コツ1:困りごとは「小さいこと」ほど伝える

現場にいて感じた、いちばん大きなもったいないポイントがこれです。ご家族が「こんなこと言うほどでもないか」と飲み込んでしまう。

夜のトイレの失敗が増えた(排泄ケアの記事)。薬を飲み忘れる。最近ちょっと歩き方が変——その「ちょっとしたこと」こそ、ケアプランを見直すきっかけになります。ヘルパーさんに「それはできません」と断られたことも、遠慮なく伝えてください。プランに入れられる場合があります。小さな変化の情報が集まるほど、プランは本人に合ったものになっていきます。

月1回の訪問を待たなくても大丈夫。気になったら電話で構いません。「報告するほどでもない」と思うことほど、伝えてみてください。

コツ2:お金の事情は、正直に話す

言いにくいことの代表が、お金です。でも、ここを隠すと苦しくなります。

介護サービスは、使えば使うほど自己負担も増えます。「月にこれくらいまでに抑えたい」と正直に伝えれば、ケアマネさんは予算内でのプランを一緒に考えてくれます。負担限度額認定などの軽減制度を教えてくれるのも、ケアマネさんです。

見栄を張って無理をして、あとから続けられなくなるほうが、本人にとってもつらい結果になります。

コツ3:本人の「人となり」を伝える

これは、現場で働いた人間として、いちばん伝えたいコツです。

介護のサービスは、身体の状態だけで決まるものではありません。もともと几帳面な人なのか、人に世話を焼かれるのが嫌いな人なのか、昔は何の仕事をして、何が好きだった人なのか——そういう「人となり」の情報があると、ケアマネさんも現場のわたしたちも、その人に合った関わり方ができます。

「お風呂が嫌い」ではなく「もともときれい好きだったのに、人前で裸になるのが恥ずかしいらしい」。そこまで伝わると、対応はまったく変わります。家族にしか話せない情報こそ、チーム全体の財産です。

コツ4:ケアマネさんは「万能」ではないと知っておく

頼っていい、と言いつつ、任せきりも違います。ケアマネさんは多くの利用者さんを担当していて、毎日そばで見ているのは家族です。

ケアマネさんとご家族は、上下関係ではなく同じチームの仲間です。情報と希望を出し合うほど、チームは強くなります。

コツ5:どうしても合わなければ、変更できる

最後に、大事なことをひとつ。ケアマネさんは、変更できます。

連絡がつきにくい、話を聞いてくれない、提案が本人に合っていない——改善をお願いしても変わらないなら、我慢し続ける必要はありません。事業所に「担当を変えてほしい」と伝えるか、言いにくければ地域包括支援センターに相談すれば、間に入ってもらえます。事業所ごと変えることもできます。

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変更は「よくあること」です 担当変更は珍しいことではなく、気まずく感じる必要もありません。相性はどうしてもあります。長い付き合いになるからこそ、「話しやすい人かどうか」を大切にしてください。
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これから探す方へ:ケアマネさんの見つけ方と最初の流れ

要介護の認定が出たら、ケアマネさんがいる「居宅介護支援事業所」と契約します。探し方は2つです。

契約のときは、事業所から契約内容の説明があります。利用する側は、サービス事業所を複数紹介してほしいと頼めます。ケアマネさん側がこれを説明するのは、国の基準で決まったルールです(同基準 第4条)。

契約のあとは、おおむね次の流れでサービスが始まります。

  1. アセスメント:ケアマネさんが自宅を訪ね、体の状態や暮らしの困りごとを聞き取る
  2. 話し合い:本人・家族・サービス事業所が集まり、合うサービスを検討する(サービス担当者会議)
  3. ケアプランの決定:内容に納得して同意したら、各事業所と契約して利用開始

最初の聞き取りは、コツ3の「人となり」を伝えるいちばんの機会です。話す内容に迷ったら、親の介護、何から始める?の「相談前のメモ」が使えます。

入院したときも、ケアマネさんが橋渡し役

親が急に入院したら、病院に担当ケアマネさんの名前と連絡先を伝えましょう。契約のときにケアマネさんから家族へ、そうお願いすることも国の基準に書かれています(第4条)。

入院中は、ケアマネさんが病院と情報をやりとりします。退院の前には、病院での話し合い(退院前カンファレンス)にケアマネさんが加わることも。家に帰ってからのプランを、そこで組み直していきます。

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今日からできる準備 介護保険証やお薬手帳と同じ場所に、ケアマネさんの名刺をしまっておく。家族の誰が見てもわかる場所なら、急な入院でもあわてずにすみます。

まとめ

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この記事のポイント
  • 基本は「遠慮しない・隠さない・任せきりにしない」。相談は無料
  • 小さな困りごと・お金の事情・本人の人となり——この3つの情報が、いいケアプランを作る
  • 合わなければ担当変更できる。地域包括支援センターが相談先

ケアマネさんは、介護の長い道のりをいちばん近くで支えてくれるパートナーです。今日の「ちょっと気になること」から、話してみてください。

出典:指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営に関する基準(e-Gov法令検索)/介護サービス情報公表システム「居宅介護支援」/厚生労働省 社会保障審議会介護給付費分科会 第259回 資料6「居宅介護支援・介護予防支援」(2026年6月29日)。制度の内容は執筆時点(2026年11月)のものです。2026年11月1日確認。