「こんな小さなこと、ケアマネさんに相談していいのかな」「なんとなく合わない気がするけど、言い出せない」——ケアマネジャーとの距離感に、迷っていませんか。
答えを先にお伝えします。ケアマネさんとの付き合い方の基本は、遠慮しない・隠さない・任せきりにしない。この3つです。
私は訪問介護の現場で、たくさんのケアマネさんと一緒に仕事をしてきました。この記事では、サービスを提供する側から見えた「ケアマネさんと上手に付き合っているご家族」の共通点を、5つのコツにまとめてお伝えします。
※この記事は、自宅で介護をしている方向けの「居宅ケアマネジャー」との付き合い方です。施設に入居したあとは、施設のケアマネジャーや相談員が担当になります。
そもそもケアマネさんは、何をしてくれる人?
ケアマネジャー(介護支援専門員)は、ひとことで言うと介護チームの司令塔です。主な仕事はこの3つ。
- ケアプランを作る——本人の状態と希望に合わせて、どのサービスをどう使うかの計画を立てる
- サービスを調整する——訪問介護・デイサービス・福祉用具など、各事業者との連絡や手配をまとめて担う
- 毎月、様子を見に来る——月1回の訪問(モニタリング)で、困りごとがないか確認し、プランを見直す
コツ1:困りごとは「小さいこと」ほど伝える
現場にいて感じた、いちばん大きなもったいないポイントがこれです。ご家族が「こんなこと言うほどでもないか」と飲み込んでしまう。
夜のトイレの失敗が増えた。薬を飲み忘れる。最近ちょっと歩き方が変——その「ちょっとしたこと」こそ、ケアプランを見直すきっかけになります。小さな変化の情報が集まるほど、プランは本人に合ったものになっていきます。
月1回の訪問を待たなくても大丈夫。気になったら電話で構いません。「報告するほどでもない」と思うことほど、伝えてみてください。
コツ2:お金の事情は、正直に話す
言いにくいことの代表が、お金です。でも、ここを隠すと苦しくなります。
介護サービスは、使えば使うほど自己負担も増えます。「月にこれくらいまでに抑えたい」と正直に伝えれば、ケアマネさんは予算内でのプランを一緒に考えてくれます。負担限度額認定などの軽減制度を教えてくれるのも、ケアマネさんです。
見栄を張って無理をして、あとから続けられなくなるほうが、本人にとってもつらい結果になります。
コツ3:本人の「人となり」を伝える
これは、現場で働いた人間として、いちばん伝えたいコツです。
介護のサービスは、身体の状態だけで決まるものではありません。もともと几帳面な人なのか、人に世話を焼かれるのが嫌いな人なのか、昔は何の仕事をして、何が好きだった人なのか——そういう「人となり」の情報があると、ケアマネさんも現場のわたしたちも、その人に合った関わり方ができます。
「お風呂が嫌い」ではなく「もともときれい好きだったのに、人前で裸になるのが恥ずかしいらしい」。そこまで伝わると、対応はまったく変わります。家族にしか話せない情報こそ、チーム全体の財産です。
コツ4:ケアマネさんは「万能」ではないと知っておく
頼っていい、と言いつつ、任せきりも違います。ケアマネさんは多くの利用者さんを担当していて、毎日そばで見ているのは家族です。
- 普段の様子の変化に最初に気づけるのは、家族
- プランの内容に「合っていない」と感じたら、そう伝えていい
- 提案を待つだけでなく、「こうしたい」という希望を出していい
ケアマネさんとご家族は、上下関係ではなく同じチームの仲間です。情報と希望を出し合うほど、チームは強くなります。
コツ5:どうしても合わなければ、変更できる
最後に、大事なことをひとつ。ケアマネさんは、変更できます。
連絡がつきにくい、話を聞いてくれない、提案が本人に合っていない——改善をお願いしても変わらないなら、我慢し続ける必要はありません。事業所に「担当を変えてほしい」と伝えるか、言いにくければ地域包括支援センターに相談すれば、間に入ってもらえます。事業所ごと変えることもできます。
まとめ
- 基本は「遠慮しない・隠さない・任せきりにしない」。相談は無料
- 小さな困りごと・お金の事情・本人の人となり——この3つの情報が、いいケアプランを作る
- 合わなければ担当変更できる。地域包括支援センターが相談先
ケアマネさんは、介護の長い道のりをいちばん近くで支えてくれるパートナーです。今日の「ちょっと気になること」から、話してみてください。