杖をついて自分で歩く猫を見守る様子と、腕を支えられて歩く猫を並べたイラスト

介護保険の認定結果が届いた。「要支援2」と書いてある——これって、どういう意味なんだろう。

答えを先にお伝えします。要支援と要介護では、①相談する相手 ②使えるお金の上限 ③入れる施設、この3つが変わります。

わたしは訪問介護と老健で働いていました。制度の説明だけでなく、現場で見ていて実際どう違ったのかもあわせてお伝えします。

いちばん大きな違いは「目的」です

ひとことで言うと、こうです。

要支援=これ以上悪くならないように/要介護=いま困っていることを支える 要支援は「介護予防」が目的です。まだ自分でできることが多く、支えがあれば生活を保てる状態。要介護はすでに介護が必要な状態で、日常の動作に手助けが要ります。

違い① 相談する相手が変わります

要支援1・2要介護1〜5
ケアプランを作る人地域包括支援センターケアマネジャー(居宅介護支援事業所)
サービスの呼び方介護予防サービス介護サービス

ここは意外と知られていません。要支援のうちは、ケアマネジャーではなく地域包括支援センターが窓口になります。

要介護になると、担当のケアマネジャーがつきます。ケアマネさんとの付き合い方もあわせてどうぞ。

違い② 使えるお金の上限が、2倍以上ちがう

介護保険には「1ヶ月にここまで使えます」という上限があります(区分支給限度基準額)。

区分1ヶ月の上限自己負担1割なら
要支援1約50,320円約5,032円
要支援2約105,310円約10,531円
要介護1約167,650円約16,765円
要介護2約197,050円約19,705円
要介護3約270,480円約27,048円
要介護4約309,380円約30,938円
要介護5約362,170円約36,217円

要支援2から要介護1に上がると、上限が約10万円から約16万円へ。1.6倍になります。

※上限は単位数で決まっており、1単位あたりの金額は地域やサービスの種類で変わります(10.00〜11.40円)。上の金額は1単位10円で計算した目安です。この単位数は2019年10月から変わっていません(執筆時点)。

違い③ 入れる施設が変わります

⚠️
要支援では、入れない施設があります 特別養護老人ホーム(特養)は原則、要介護3以上。老健や介護医療院も要介護1からです。つまり要支援のうちは、これらの施設には入れません。 住まいを移すなら、サ高住や住宅型の有料老人ホームなどが候補になります。

施設の種類は老人ホームの種類と違い、費用は老人ホームの費用は月5万〜30万円にまとめています。

現場で見ていて、実際どう違ったか

ここからは、制度の話ではありません。訪問介護と老健で働いていて、実際に感じていたことです。

要支援の方は、ほとんど何でもできます 訪問介護をしていたころ、要支援の方はそもそも多くありませんでした。そして担当した方は、たいてい何でもご自分でできる状態でした。 入浴の介助でも「何もしないで!」とおっしゃる方がいたくらいです。でも、こちらとしてはそうもいきません。滑ったら危ないですから。だから本当に見守りという感じでした。

では要介護1はどうか。要介護1の方も、結構いろいろできます。 少し補助するくらい——それが実感でした。

つまり要支援2と要介護1のあいだに、見た目で分かるほどの大きな差はありません。それでも上限額は1.6倍になり、入れる施設も変わります。だからこの境目は、家計にとって大きいのです

認定調査で、いちばん気をつけてほしいこと

これは、現場にいて何度も見てきたことです。

⚠️
調査員の前だと、できてしまう方がたくさんいます 普段はやらないこと、できないことを、調査員の前では何事もなくやってしまう——こういう方は本当にたくさんいました。 悪気があるわけではありません。人が来ると気が張るからです。でもその結果、実際より軽い認定が出ることがあります。

だから、家族が普段の様子を伝えてください。調査には同席できます。本人の前で言いにくいことは、メモにして調査員に渡す方法もあります。

💡
もうひとつ、知っておいてほしいこと すでにデイサービスや訪問介護を使っているなら、わたしたち現場のスタッフからも、普段の様子を伝えています。 家族だけで抱え込まなくて大丈夫です。「調査があるので、普段の様子を伝えておいてほしい」とヘルパーやスタッフに頼んでおく——これはとても有効です。

認定の流れそのものは介護保険の申請、結果が出るまで原則30日にまとめています。

まとめ

要支援と出ても、使えるサービスはあります。まずは地域包括支援センターに相談してみてください。何から始めればいいか迷っている方は、親の介護、何から始める?もどうぞ。

※制度の内容は執筆時点(2026年8月)のものです。金額や条件は、お住まいの市区町村の窓口でご確認ください。

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